古訪ねる歴史旅
丸亀市
香川県丸亀市にある丸亀城は、築城400年を誇る丸亀のシンボル。日本100名城の1つであり、全国に12しか現存していない木造天守などの様々な見どころがありますが、一番のおすすめは石垣。石組みの美しさと石垣の高さが日本一高いことから別名「石垣の名城」とも呼ばれています。今回は丸亀城の石垣の魅力に触れてきました。
最初に訪れたのはお城の北側にある大手門。大手とは城の正門のことで、丸亀城のように江戸時代の大手門と天守が揃って残っている城は全国に3ヶ所しかありません。橋を渡って門をくぐると正面の石垣に大きな石を発見。この背丈ほどもある石は「鏡石」といって、大きな石を据え付けることができる城主の権力を示す効果があったのだそう。2つの鏡石の間にはハート型のかわいい石もあって「幸運のハート石」と呼ばれています。触ると良縁に恵まれるとあって、人気の撮影スポットになっています。
大手門を入って左にあるのが三の丸へ続く「見返り坂」。かなりの急坂で、立ち止まって振り返りたくなることからこの名前が付いたというのが、実感できます。
見返り坂を登り切ると、目の前に優雅なカーブを描く二の丸の石垣が姿を現しました。石垣の勾配は下側は緩やかですが上に行くほど急になっていて、その曲線が扇を広げたように見えることから「扇の勾配」と呼ばれています。現在のように重機を使わず、人の力だけで積み上げた昔の石工の技はすごいですね。
石垣に近づいて見ていると、半円形のマークが刻まれている石を発見。これは「刻印」と呼ばれるもので、家紋を記す場合や石を切り出した石工の組を記しています。この刻印は、初代城主生駒氏の家紋「波引車(なみひきぐるま)」。丸亀城内には15種類・170個以上の刻印があるそうなので、興味がある人は探してみましょう。
天守へ向かう前にちょっと寄り道。見返り坂の頂上を左に入ると、三の丸の石垣を見下ろせる場所に出ます。そこには何やら石でできた構造物が突き出ていました。これは石でできた排水口で、石垣の内部にたまった水を排出して、石垣の崩壊を防ぐ仕組みなのだとか。ちなみに奥に見える石垣の上部が白くなっているのは、解体修理が行われたからです。
天守へ向かう前にちょっと寄り道。見返り坂の頂上を左に入ると、三の丸の石垣を見下ろせる場所に出ます。そこには何やら石でできた構造物が突き出ていました。これは石でできた排水口で、石垣の内部にたまった水を排出して、石垣の崩壊を防ぐ仕組みなのだとか。ちなみに奥に見える石垣の上部が白くなっているのは、解体修理が行われたからです。
改めて天守へ向かいます。見返り坂頂上から二の丸へ登るのが最短ルートですが、今回はあえて遠回り。先ほどの扇の勾配があった二の丸石垣の下側に沿って、三の丸をぐるっと回り込んで行くと、天守の真下に出ました。ここは天守と石垣を一緒に間近から眺めることができる隠れたビュースポット。わざわざ遠回りする価値ありです。
石段を上って二の丸を通り天守に到着。丸亀城の天守は昭和25年に重要文化財に指定されました。建てられた当時のまま残る12の天守のうち最も小さく、四国では一番古いものです。小さいながらも意匠を凝らした造りになっています。
石段を上って二の丸を通り天守に到着。丸亀城の天守は昭和25年に重要文化財に指定されました。建てられた当時のまま残る12の天守のうち最も小さく、四国では一番古いものです。小さいながらも意匠を凝らした造りになっています。
天守からは丸亀の市街地はもちろん、瀬戸大橋や対岸の岡山まで見渡せます。昔は瀬戸内海を行き交う船に睨みを効かせていたというのも納得ですね。
帰りは三の丸から大手門とは反対側の南側へ下りるルートへ。豪華な大手門がある北側とは違い、静かで落ち着いた雰囲気のある場所です。
その道すがら、すごくキレイに積まれた石垣に出会いました。こちらは城の裏側なのにどうしてこんなに丁寧な仕事をしているのでしょうか? 実は丸亀城は元々こちら側が正面で、城主が京極家になった時に現在の場所に移されたのだそう。この美しい石組みは、こちらが正面だった名残だったのです。
三の丸を下りて左へ進むと、野面(のづら)積みという自然石を積み上げた石垣がありました。丸亀城では一番古い形式の石垣です。石垣の基礎部分が野面積みで、その上に三の丸と二の丸が見えています。色々な年代の石垣を一度に見ることができるのも、丸亀城の魅力の1つですね。
その道すがら、すごくキレイに積まれた石垣に出会いました。こちらは城の裏側なのにどうしてこんなに丁寧な仕事をしているのでしょうか? 実は丸亀城は元々こちら側が正面で、城主が京極家になった時に現在の場所に移されたのだそう。この美しい石組みは、こちらが正面だった名残だったのです。
三の丸を下りて左へ進むと、野面(のづら)積みという自然石を積み上げた石垣がありました。丸亀城では一番古い形式の石垣です。石垣の基礎部分が野面積みで、その上に三の丸と二の丸が見えています。色々な年代の石垣を一度に見ることができるのも、丸亀城の魅力の1つですね。
全国に誇る丸亀城の石垣ですが、平成30年7月から10月にかけて台風や大雨の影響で南西部が崩落してしまいました。現在復旧工事が行われていて、その様子を見ることができます。(写真は崩落直後の様子。丸亀市教育委員会文化財保存活用課提供)
復旧工事の内容を分かりやすく説明してくれるのが、工事現場の側にある「丸亀城石垣崩落復旧整備事業PR館」。展示パネルやビデオでの解説の他、江戸時代の丸亀城を巡ったり、丸亀ゆかりの名刀「ニッカリ青江」で幽霊を切るというVR体験もできます。
作られた当時の技術をできるだけ再現して復旧する上、隠れた石垣などの遺構が発見されたために時間がかかっているのだそう。その一方、崩れた石の位置特定には、崩壊前の写真と照らし合わせる画像認識技術を利用したマッチングシステムが使われていて、昔と現在の技がうまく取り入れられているのが興味深いですね。
PR館屋上の展望デッキからは、復旧現場が一望できます。
復旧工事の内容を分かりやすく説明してくれるのが、工事現場の側にある「丸亀城石垣崩落復旧整備事業PR館」。展示パネルやビデオでの解説の他、江戸時代の丸亀城を巡ったり、丸亀ゆかりの名刀「ニッカリ青江」で幽霊を切るというVR体験もできます。
作られた当時の技術をできるだけ再現して復旧する上、隠れた石垣などの遺構が発見されたために時間がかかっているのだそう。その一方、崩れた石の位置特定には、崩壊前の写真と照らし合わせる画像認識技術を利用したマッチングシステムが使われていて、昔と現在の技がうまく取り入れられているのが興味深いですね。
PR館屋上の展望デッキからは、復旧現場が一望できます。
復旧石垣の石の個数は約6000個。城内グラウンドの仮置き場で石材調査をした後、丸亀市内に2ヶ所ある石置き場で保管されて復旧の時を待っています。
現場の傍らでは、保管されている石に直接触ることもできます。黒い部分が石垣の正面で、意外と奥に長いですよね。
現場の傍らでは、保管されている石に直接触ることもできます。黒い部分が石垣の正面で、意外と奥に長いですよね。
最後にお土産をご紹介。「丸亀」の文字が並んでいるプラモデルを組み立てると、何と江戸時代の丸亀城になるんです。これは観光名所の地名を文字で表現し、組み立てるとその土地を象徴する建物になるご当地プラモデル「ゴトプラ」の丸亀城バージョン。色はグリーンと暗闇で光る蓄光タイプの2種類。見返り坂下の「丸亀城内観光案内所」で購入でき、丸亀市のふるさと納税返礼品にもなっています。
いかがだったでしょうか。崩落は残念ですが、復旧工事中の今しか見ることができないものもあるので、ぜひ丸亀城を訪れてみて下さい。
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丸亀城
休城日 なし
住所 香川県丸亀市一番丁
電話番号 0877-22-0331(丸亀市観光協会)
丸亀城 - 丸亀市公式ホームページ (marugame.lg.jp)
天守入城料 大人400円、小人(中学生以下)無料
天守観覧時間 9:00-16:30(入城は16:00まで)
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丸亀城石垣崩落復旧整備事業PR館
開館時間 9:00-16:30
休館日 なし
住所 香川県丸亀市一番丁(丸亀城内)
電話番号 0877-23-2107(丸亀市文化財保護活用課丸亀城管理室)
入館料 無料
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丸亀市立資料館
開館時間 9:30-16:30
休館日 月曜・祝日(特別展開催の場合は開館の場合あり)、年末年始、資料整理期間中
住所 香川県丸亀市一番丁(丸亀城内)
電話番号 0877-22-5366
入館料 無料(特別展は有料の場合あり)
いかがだったでしょうか。崩落は残念ですが、復旧工事中の今しか見ることができないものもあるので、ぜひ丸亀城を訪れてみて下さい。
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丸亀城
休城日 なし
住所 香川県丸亀市一番丁
電話番号 0877-22-0331(丸亀市観光協会)
丸亀城 - 丸亀市公式ホームページ (marugame.lg.jp)
天守入城料 大人400円、小人(中学生以下)無料
天守観覧時間 9:00-16:30(入城は16:00まで)
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丸亀城石垣崩落復旧整備事業PR館
開館時間 9:00-16:30
休館日 なし
住所 香川県丸亀市一番丁(丸亀城内)
電話番号 0877-23-2107(丸亀市文化財保護活用課丸亀城管理室)
入館料 無料
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丸亀市立資料館
開館時間 9:30-16:30
休館日 月曜・祝日(特別展開催の場合は開館の場合あり)、年末年始、資料整理期間中
住所 香川県丸亀市一番丁(丸亀城内)
電話番号 0877-22-5366
入館料 無料(特別展は有料の場合あり)