古訪ねる歴史旅
善通寺でまず訪ねたいのは、お寺のすぐ近くにある昔懐かしいお菓子屋さん・熊岡菓子店。
「カタパン」というかわいらしい暖簾が掲げられたお店には、早朝からお客さんがひっきりなしに訪ねてきます。
名物のカタパンには大丸・角・丸など色々な種類がありますが、中でも名物の「石パン」は、その名の通り歯が折れそうなほどの堅さ!他に、ボーロやえびせんもありますよ。木製のウインドウから好きなものを選び、お店の方に告げましょう。
善通寺のイラストが入った紙袋がかわいらしく、お土産にも最適。人気の種類のカタパンは早くに売り切れてしまうので、早朝目がけて行くのがおすすめです。
続いて善通寺の境内に向かいましょう。善通寺は、弘法大師空海の誕生地であり、また四国八十八ヶ所霊場75番札所ということもあり参拝客が絶えません。
善通寺には、戦前は旧陸軍第11師団が置かれ、戦後から現在に至るまでは自衛隊が駐屯しています。街並みを実際に歩いてみると、大きな道路や整然とした区画にその名残を感じられます。襟を正したような、ぴりっとした空気を感じるような気もします。
(写真:自衛隊善通寺駐屯地広報班 蔵)
「乃木館」は、そんな善通寺の歴史をずっと間近に見てきた建物のひとつ。
旧陸軍時代に善通寺の最初の師団長として乃木希典が赴任したことからこの名がつきました。明治31年に建てられたという「乃木館」は、戦後も引き続き平成18年まで現役の司令部として使われていたというのだから驚きです。なお、現在でも1階部分は音楽隊の拠点として使用されているのだそう。一般向けの展示室は2階部分になります。
▲質素倹約だった乃木。絨毯は贅沢だと剥がさせ、板の間に戻したのだそう
館内では、広報担当の自衛官の方から様々な説明を聞くことができます。貴重な写真の知られざるエピソードや、乃木大将の人柄が伝わるエピソードなど、ここでしか聞くことのできない秘話ばかり。気になることがあれば、質問することもできます。
▲大正ガラスに木枠の窓がレトロ
館内には、現役の司令部として使われていたことが伺えるこんな表示灯も残っています。
ピカピカに磨き上げられたケヤキの手すりは、今では再現が難しいほど立派なものです。
「乃木館」は令和3年から改修工事が実施されることになっているのだそう。この姿を見られるのも今だけです。ぜひ時間に余裕をもって、ゆっくりと見学してみてください。
▲建物前の芝生広場には航空機も展示されています
乃木館から車で5分ほど、善通寺市役所のある敷地内にある「旧善通寺偕行社」も現存する旧陸軍時代の建物のひとつ。国の重要文化財に指定されたあと、創建当時の状態に復元されており、誰でも見学することができます。
隣には「偕行社かふぇ」も併設されており、美しい建物を眺めながらティータイムを過ごせます。
「偕行社かふぇ」ではスイーツはもちろん、前菜・メインなどがつく本格的なランチコースをいただくこともできます。
お天気のいい日は裏庭から偕行社を眺められるテラス席がおすすめです。
愛媛県や高知県と高松との中間地点にあたり、山々に囲まれ、降水量の少ない香川県では地下水が豊富と地理条件に恵まれていたことから旧陸軍の拠点地に選ばれました。戦時中は捕虜を適切に収容していたことから空襲を免れたのだそう。
空襲を受けなかったことで、明治・大正時代の貴重な建物が現在まで残るに至りました。
赤レンガの倉庫と五重塔が並ぶ眺めは、まさに善通寺の街の歴史そのもの。
熊岡菓子店
営業時間 9:00-16:00
定休日 火・第3水(祝日の場合営業)
電話番号 0877-62-2644
住所 香川県善通寺市善通寺町3-4-11
総本山善通寺
電話番号 0877-62-0111
住所 香川県善通寺市善通寺町3-3-1
乃木館(陸上自衛隊善通寺駐屯地資料館)
※団体で見学の場合、要予約
開館時間 9:00-12:00・13:00-16:00
休館日 水・年末年始
電話番号 0877-62-2311(善通寺駐屯地広報班)
住所 香川県善通寺市南町2-1-1
入館無料
旧善通寺偕行社
開館時間 10:00-16:00
電話番号 0877-63-6362
住所 香川県善通寺市文京町2-1-1
入館無料
偕行社かふぇ
営業時間 8:30-17:00(8:30-モーニング・11:00-14:00ランチ)
18:00-21:00(予約のみ)
定休日 なし
電話番号 0877-63-6362
住所 香川県善通寺市文京町2-1-1