金刀比羅宮とは
琴平山(象頭山)の中腹に鎮座する金刀比羅宮は、古くから「海の神様」として親しまれている大物主神(おおものぬしのかみ)を祀った全国の金刀比羅神社の総本宮です。御本宮まで785段、さらに奥社までは1,368段と長く伸びた石段の参道が有名で、道中にも重要文化財の建築物や、美術品などを収めた御社が点在しているほか、レトロな情緒溢れる町並みが続き、年間通じて約300万人もの人が「こんぴら参り」に訪れています。
「お伊勢参り」と並ぶ人生の一大イベント
庶民が旅行を禁じられていた江戸時代においても、神仏への参拝は許されていました。とりわけ伊勢神宮への参拝の旅は「お伊勢参り」と呼ばれ、庶民にとって一生に一度の憧れ。そんなお伊勢参りと並び称されたのが、「丸金か京六か」と言われた讃岐の金毘羅大権現(今の金刀比羅宮)と京都六条の東西本願寺で、これらの寺社への参拝の旅が人生の一大イベントとして大変人気があったようです。
また、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くこともありました。金毘羅大権現への代参で有名なのが、清水次郎長(山本長五郎)の代わりに参拝し、預かった刀を奉納したと伝えられる森の石松です。
なかには、飼い主の代わりに代参する犬も現れ、「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれていました。こんぴら狗は飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などを入れた袋を首から下げて、旅人から旅人へ連れられ、街道筋の人々に世話されながら、立派に務めを果たしたようです。
また、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くこともありました。金毘羅大権現への代参で有名なのが、清水次郎長(山本長五郎)の代わりに参拝し、預かった刀を奉納したと伝えられる森の石松です。
なかには、飼い主の代わりに代参する犬も現れ、「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれていました。こんぴら狗は飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などを入れた袋を首から下げて、旅人から旅人へ連れられ、街道筋の人々に世話されながら、立派に務めを果たしたようです。
由緒
金刀比羅宮の主たる御祭神は、大物主神(おおものぬしのかみ)。航海の安全や豊漁祈願、五穀豊穣、商売繁昌、病気平癒などに御利益のある神様として、古くから全国の人々のあつい信仰を集めてきました。また、平安時代に讃岐国へ流され、この地で崩御された崇徳天皇を合祀し、歴代皇室から諸国の大名、一般庶民に至るまで広く信仰されています。とりわけ金刀比羅宮のある象頭山(ぞうずさん)は、古来より瀬戸内海航路の海の目印とされてきたこともあり、航海の安全を担う「海の神様」として今も親しまれています。