ぶらり、街さんぽ 東かがわ市

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東かがわ市の引田(ひけた)は、江戸時代には醤油造りや海運の拠点として賑わい、今も町並みにその名残が残る町。中でも醤油と酒造りを営んでいた商家を改装した「讃州井筒屋敷」では、母屋の見学や地元特産品を使った食事、和三盆や手袋づくりの体験もできます。讃州井筒屋敷を中心に引田の歴史ある町並みを巡ってきました。
讃州井筒屋敷へはJR引田駅から徒歩で約10分、車の場合は高松自動車道の引田ICから約10分です。お屋敷は周りにある建物よりもかなり大きく、外から見るだけで当時の繁栄ぶりがうかがえます。
敷地内には、当時の姿を残す母屋をはじめ、5つの蔵を改装したお店や施設が並んでいます。
広い施設内でどこへ行こうか迷った時に頼りになるのがボランティアガイド。無料で屋敷の中や町並みを案内してくれます。今回担当していただいたのは「引田まち並みガイドの会」八田さん。地元を知り尽くしたガイドさんです。
まずは母屋へ。醤油・酒造業を営んでいた豪商・旧井筒屋の当主・佐野家が生活していた建物です。贅を尽くして作られた屋敷内には、醤油や酒の醸造をしていた時代の史料や関連する品々が展示されていました。
当主娘のために作らせた豪華絢爛なひな飾り。(引田ひなまつりの期間のみ展示)
大事なお客様をもてなしていたというお茶室。ここから庭を眺めて、しばしそのお客様になったような気分を味わいました。
母屋の見学の後は一度屋敷を出て周辺を散策。正門を出て右手に進み、その先の角を右へ曲がります。
曲がり角のすぐ横にあったのはおひな様の常設展示をしている「旧笠屋邸」。引田では、女の子の初めての桃の節句に「引田雛」と呼ばれる地域独特のひな飾りを親戚や近所の人に披露する風習があるのだそう。ひな壇の横には市松人形、手前に縁起物のハマグリやネギが飾られているのが特徴。例年2月下旬から3月3日には、町中に古いおひな様が飾られる「引田ひなまつり」が行われています。
 
庭先に残るレンガの煙突。これは元酒蔵だった建物です。
道ばたの民家の柱には、かつて馬を繋いでいた「馬どめ環」が残されていました。
こちらの真っ赤な壁は「かめびし屋」。江戸時代から現在まで続く老舗醤油蔵です。直売所での醤油の購入や蔵の見学、醤油のブレンド体験ができます。
来た道を讃州井筒屋敷まで戻って、今度は正門から左方向へ。角を右に曲がってJR引田駅方面へ進みます。この通りには特に古い建物が多く残っているのだそう。
このレトロモダンな建物は「旧引田郵便局」。建物は国の登録有形文化財として登録されており、内部は営業当時の間取りを活かした「カフェ・ヌーベルポスト」というカフェになっています。
 
ここにも昔の酒蔵が!昔はこの町に本当にたくさんの酒蔵があったんですね。
こちらは薬屋を営んでいた「松村家」。2階部分の薄いブルーの壁に、特徴的な「虫籠窓(むしこまど)」がキレイに残っています。
それぞれ趣向を凝らした旧家が立ち並んでいて、ちょっとしたタイムスリップ気分を味わえます。
また港町の道は、海賊などの侵入や戦乱に備えて迷路状になっていることが多いのですが、引田のメイン通りと垂直に交わる路地は全て港に直通しています。これは荷物を素早く港から運ぶための工夫で、平和になった江戸時代以降に作られた町だからなのだそう。
 
写真の「長崎家」の角を右に曲がって路地へ入り、「東かがわ市役所引田庁舎」の横を抜けて再び讃州井筒屋敷へ向かいます。その道すがらにある3軒のお寺に立ち寄ります。
1軒目は「萬生寺(まんしょうじ)」。入口横にある石碑には、引田出身の歌手「笠置シヅ子」の名前を発見しました。
 
2軒目は「善覚寺(ぜんかくじ)」。山門が立派だなと思いませんか? 実はこの門、町の近くにあった引田城が廃城になった際、その門を移築したもの。正面に彫られた松の彫刻が圧巻です。
最後は「積善坊(しゃくぜんぼう)」。こちらの石垣は善覚寺の門と同じように、引田城で使われていたものです。お城はなくなっても、その名残が町中で見られるのが面白いですね。
讃州井筒屋敷に戻って来たのはちょうどランチタイム。敷地内にある一之蔵「ごはんや醤(ひしお)」で、引田名物のブリづけ丼をいただきました。蔵をそのまま利用した店内は雰囲気も抜群です。
 
いただいたのは「ブリづけ丼」。引田はハマチ養殖の発祥地で、ハマチは大きくなると名前がブリになります。醤油ベースの特製タレにつけ込まれたブリの切り身はプリプリの食感で、まろやかな味の特製タレとも相性抜群です。あまりの美味しさにご飯がすすみ、あっと言う間に食べてしまいました。
お腹がいっぱいになったので、引田のもう1つの名物を体験しましょう。それは「和三盆」。さらっとした舌ざわりと淡く消えていく独特の上品な甘さが人気です。引田は江戸時代から伝統製法を守り続けているその産地。こちらではお茶会などで出される和三盆の型抜き体験ができます。
二之蔵にある教室に入ると体験で使う材料と道具が用意されていました。ボウルの中に入っているのが和三盆です。
最初に霧吹きで和三盆を湿らせ、手でよく混ぜます。
均等に混ざったらざるに移してこします。
こし終えた和三盆を、手で型にギュッと押し込みます。押して凹んだら和三盆を追加して、盛り上がるぐらいまで押し固めます。
はみ出した部分をヘラで削って平らにします。
型の端を木の棒でコンコンと叩いて、固まった和三盆を型から外します。
型から抜けたら箱に並べて完成。すごく細かいところまで形が出ていてビックリしました。そのまま食べてもよし、お土産にしてもよし。1つそのままいただきましたが、スッと口の中ですぐ溶けてなくなりました。また和三盆などの東かがわ市の特産品は、敷地内のショップで購入することもできます。
讃州井筒屋敷の敷地内には、他にも、二之蔵(休憩所)、三之蔵(売店・てぶくろ工房)、与之蔵(催し処)、五之蔵(フリースペースやお店)があります。
讃州井筒屋敷と引田の歴史的町並みを巡る散策はいかがだったでしょうか。今回紹介しきれなかった「東かがわてぶくろギャラリー」や旧大庄屋の「日下家」や「町かどギャラリー遊遊」、「かめびし屋」でのいろんな体験など、まだまだ楽しめるポイントが盛りだくさんの引田に、ぜひ訪れてみてください。
  • 『引田まち歩きマップ』(東かがわ市教育委員会発行)を基に作成

    『引田まち歩きマップ』(東かがわ市教育委員会発行)を基に作成

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讃州井筒屋敷
開館時間 10:00-16:00(母屋)
定休日  水曜日(祝日の場合は営業)
住所   香川県東かがわ市引田2163
電話番号 0879-23-8550
入館料     無料(母屋のみ大人(高校生以上)300円、中学生以下無料)
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ごはんや醤(ひしお)
営業時間 11:00-金曜日14:00、土、日曜日・祝日15:00(ランチは14:00まで)
定休日  月〜木曜日
住所   香川県東かがわ市引田2163 讃州井筒屋敷一之蔵
電話番号 0879-33-3735
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和三盆型抜き体験
※土、日曜日・祝日は予約不要、平日は2日前までに要予約
営業時間 10:00-15:00
定休日  水曜日(祝日の場合は営業)
住所   香川県東かがわ市引田2163 讃州井筒屋敷二之蔵
電話番号 0879-23-8550
料金        650円
所要時間 約40分
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カフェ・ヌーベルポスト 
住所 香川県東かがわ市引田2253
電話番号 0879-33-3202
営業時間 13:00~16:00
定休日 月曜日~金曜日(祝日の場合は営業)
カフェ・ヌーベルポスト | 東かがわ市観光情報サイト (higashikagawa.net)
 

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