思い出もっと、 とっておき体験
から風呂は高松市街から車で南東に40分ほどのさぬき市内にあります。熊田池を望む風光明媚なロケーションに現れる煙突のついた建物がから風呂。
温浴施設のようなのんびりとした雰囲気のロビー。風呂上がりに身体を休めたり、運営に携わる「塚原から風呂保存会」の皆さんとおしゃべりしたり、…皆さん思い思いに過ごしていました。
入浴にあたって、まずは男女それぞれの着替え部屋で入浴用の服装に着替えます。から風呂には個人用ロッカーはないと聞いていたので貴重品などは持たずに行きました。
服装が整ったら、いざ入浴です。
浴室は「ぬるい方」と「あつい方」の2種類。
「ぬるい方」と「あつい方」の温度差は、火を交互に焚いていることによるもの。火を焚いてすぐの部屋は「あつい方」で、冷めた部屋には「ぬるい方」の札を付けるのだとか。
12時から21時までの営業時間のうち、火を焚くのは10時(営業前)と15時半の一日2回。熱々の部屋に入りたい人は、この時間帯を狙ってみてください。「ぬるい方」は初心者でも比較的入りやすいですよ。
から風呂は、一般的なサウナと違いあまりムシムシしていません。身体の芯からじんわり温まり、不思議としんどくないのです。「出てくる汗もサラっとしていて、出た後も気持ちいいのよ」とは、ここに30年通うという地元のお母さんの言葉。
風呂の向かいには板の間があり、入浴の合間に休憩をする人の憩いの場になっているのです。
狭い空間で一緒に入浴するとおのずと距離が縮まり、色々とおしゃべりが弾みました。
小豆島から年に数回来ているという男性や、なんと広島の福山から毎週通っているという男性も!他のサウナとは違う身体の芯から温まるような入り心地と、地元の方とのおしゃべりが何よりの楽しみなのだとか。
「塚原から風呂保存会」の皆さんによれば、から風呂は数年前までは広島や今治にもあったそうですが、徐々に姿を消していき、全国でも営業しているのはここだけになってしまったそうです。珍しいから風呂を求め、全国各地からサウナファンが来るのだとか。
塚原のから風呂も一時は存続の危機に陥りましたが、地元の皆さんが「塚原から風呂保存会」を立ち上げ、営業を続けられるよう活動。現在もボランティア12名で施設の運営に当たっているというのだから頭が下がります。
から風呂の燃料は各所から集めた廃材や山の間伐材など。すべて保存会の皆さんが手作業で割り、薪にしています。
板の間の天井は煤で真っ黒になっています。
シャワールームで汗を流すこともできます。シャワーは男女別、内側から鍵もできるので、安心して使用できます。
現在のように湯舟に浸かる入浴方法は、実はとても贅沢なこと。全国津々浦々、ずっと昔から庶民の生活の場にはから風呂があり、皆で汗をかいて老廃物を落としていたのだそう。この「塚原から風呂」も行基が作ったと言われ、1,300年前からこの地にあると言われています。
から風呂での入浴と交流を楽しんだあとは、少し足を伸ばし道の駅ながおに行ってきました。
四国八十八ヶ所霊場・第87番札所の長尾寺と第88番札所の大窪寺の途中にあるので、こんなものも売っていました。
竹細工なども道の駅ならではのお土産によさそうです。
ご自分で栽培した芋を焼くこともあるのだそうです。
お昼時には、道の駅のすぐ横のレストラン「ほしごえの里」で、讃岐黒豚・讃岐オリーブ夢豚を使ったお料理をいただけます。
とんかつはあっさりとしていながら、ジューシーな肉質。おいしくぺろりといただけます。自家製ドレッシングやトッピングが揃ったサラダバーもついており、大満足!ハンバーグやしゃぶしゃぶ鍋セットもあります。
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塚原から風呂
営業時間 12:00-21:00
定休日 月・火・水・年末年始(2019年度は12月28日~1月3日/年度によって変わります)
住所 香川県さぬき市昭和1050-4
電話番号 0879-52-1202
入浴料 500円
※鍵のかかるロッカーはありません。貴重品の取り扱いにご注意ください。
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道の駅ながお
営業時間 8:00-16:00
定休日 年末年始
住所 香川県さぬき市前山940-12
電話番号 0879-52-1022
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ほしごえの里
営業時間 9:00-16:00(ランチ11:00-14:00/17:00以降の利用は要予約)
定休日 火
住所 香川県さぬき市前山925-1(道の駅ながお横)
電話番号 0879-52-2544