香川旅帖 特別編
観音寺市
くりぃむしちゅー上田氏のモノマネをはじめ、ユニークな芸風で人気を博すお笑い芸人・ガリベンズ矢野さん。そんな矢野さんは香川県の西の端、観音寺市の出身。「地元を離れても、誰よりも地元想い」。今まさに注目のスポットをはじめ、観音寺の魅力を存分に語っていただきました。
海がある。山がある。アニメの聖地でもある!
―矢野さん、今日はよろしくお願いします。
あの、いきなりなんですが、いいですか?
―はい(?)、もちろんです。
あの、いきなりなんですが、いいですか?
―はい(?)、もちろんです。
最近、父母ヶ浜(ちちぶがはま)などの人気でお隣の三豊が盛り上がっているんですけど、うちの地元の観音寺にも、似たような絶景スポットはいくつもあるんです!
たとえば有明浜は、父母ヶ浜に負けず劣らずの絶景が見られる浜辺です。しかも「有明浜ホースパーク」というところでは、砂浜で乗馬体験することも。『暴れん坊将軍』のオープニングみたいなことができちゃいます。
観音寺は三豊に比べると面積が少し小さいけれど、そのぶん魅力がギュッと詰まった場所だと思っています。 海があって山があってため池もあって。自然の良さは観音寺にだって全部あります。
―矢野さんの熱意がとても伝わってきました。そんな観音寺の魅力を、ぜひお聞かせください。
最近だと『結城友奈(ゆうきゆうな)は勇者である』というアニメのなかで、観音寺という地名こそ出てきませんが、観音寺の各所が描かれています。例えば僕の好きな「つるや」さんといううどん屋があるんですが、そこは『結城友奈は〜』の主人公たちがよくうどんを食べに行く場所として登場します。うどんを食べるシーンが本当に多くて、観ていて面白いです。このアニメの影響で、観音寺のことを知ったという方も多いのではないかと思います。
―矢野さん、離れているはずなのに、メチャメチャ地元の今に詳しいですね!
最近でこそあまり帰省できていないのですが、以前は仕事の合間を縫って年に4回くらいは観音寺に帰っていたんです。祖母がもう年なのもあって。「また戻らなきゃ」と思っています。
たとえば有明浜は、父母ヶ浜に負けず劣らずの絶景が見られる浜辺です。しかも「有明浜ホースパーク」というところでは、砂浜で乗馬体験することも。『暴れん坊将軍』のオープニングみたいなことができちゃいます。
観音寺は三豊に比べると面積が少し小さいけれど、そのぶん魅力がギュッと詰まった場所だと思っています。 海があって山があってため池もあって。自然の良さは観音寺にだって全部あります。
―矢野さんの熱意がとても伝わってきました。そんな観音寺の魅力を、ぜひお聞かせください。
最近だと『結城友奈(ゆうきゆうな)は勇者である』というアニメのなかで、観音寺という地名こそ出てきませんが、観音寺の各所が描かれています。例えば僕の好きな「つるや」さんといううどん屋があるんですが、そこは『結城友奈は〜』の主人公たちがよくうどんを食べに行く場所として登場します。うどんを食べるシーンが本当に多くて、観ていて面白いです。このアニメの影響で、観音寺のことを知ったという方も多いのではないかと思います。
―矢野さん、離れているはずなのに、メチャメチャ地元の今に詳しいですね!
最近でこそあまり帰省できていないのですが、以前は仕事の合間を縫って年に4回くらいは観音寺に帰っていたんです。祖母がもう年なのもあって。「また戻らなきゃ」と思っています。
今、地元の港一帯がアツい!
―矢野さんは観音寺市内の西の端にある瀬戸町が地元だそうですね。暮らしていた当時のことを振り返っていただけますか?
学生時代は部活でやっていた野球の記憶しかありません(笑)。実家の近くが高校の部活のグラウンドだったので、学校とグラウンドと、そのすぐ近くにある家。この往復をするばかりの毎日だったんです。
ですからどちらかというと、大人になってから地元を再発見しているような感覚ですね。今、瀬戸町もそうですが港一帯がアツくて、20〜30代の若い人たちが、新しいお店を作っては地元を盛り上げてくれています。僕個人の印象かもしれませんが、駅前の中心地より、僕の実家付近のような離れた場所の方が、変化が起こっているような気がするんです。
帰省してドライブしていたら、「こんなところにカフェができてる!」みたいな発見があって、まるで宝探しをしているかのよう。路地と路地の間に、突然お洒落なスポットが現れたりも。
帰省したらそういうところには全部顔を出して、SNSで紹介したりしていますね。少しでも地元のためになれば、と思っています。
―地元想いで素晴らしいです!
その他の地元の思い出というと…「あみ屋」さんという美味しい居酒屋があるんですが、父親と初めて一緒にお酒を飲んだのがこのお店です。実家のすぐ近くにあって、ふらっとお酒を飲みに行けますし、思い入れのある場所の1つですね。
学生時代は部活でやっていた野球の記憶しかありません(笑)。実家の近くが高校の部活のグラウンドだったので、学校とグラウンドと、そのすぐ近くにある家。この往復をするばかりの毎日だったんです。
ですからどちらかというと、大人になってから地元を再発見しているような感覚ですね。今、瀬戸町もそうですが港一帯がアツくて、20〜30代の若い人たちが、新しいお店を作っては地元を盛り上げてくれています。僕個人の印象かもしれませんが、駅前の中心地より、僕の実家付近のような離れた場所の方が、変化が起こっているような気がするんです。
帰省してドライブしていたら、「こんなところにカフェができてる!」みたいな発見があって、まるで宝探しをしているかのよう。路地と路地の間に、突然お洒落なスポットが現れたりも。
帰省したらそういうところには全部顔を出して、SNSで紹介したりしていますね。少しでも地元のためになれば、と思っています。
―地元想いで素晴らしいです!
その他の地元の思い出というと…「あみ屋」さんという美味しい居酒屋があるんですが、父親と初めて一緒にお酒を飲んだのがこのお店です。実家のすぐ近くにあって、ふらっとお酒を飲みに行けますし、思い入れのある場所の1つですね。
有名な「銭形砂絵」の修復を手伝ったことがあります
―地元を離れている今だから感じる、観音寺にしかない文化はどんなところですか?
観音寺独特か? といわれると分からないのですが、みんな地元が大好きで、地元のなかで経済を回そうとしているところを文化として誇りに感じています。
たとえば居酒屋さんに行くと、ほかの居酒屋の店主がよく飲みに来たりしているんですね。本来ライバルのはずなのに、地元のなかで同業が同業を応援している姿を見ると、胸がジーンと熱くなります。新しいお店ができたら、これからライバルになるはずなのに同業者が献花をしているのもよく見かけますね。
みんながみんなを支え合って社会ができているのは、地元の良いところだな、と今だからこそ感じます。
―昔ながらの互助関係が、しっかり残っているということですね。
自分の街のことは、自分たちでなんとかする精神がある、というか。
そうそう、「銭形砂絵」(ぜにがたすなえ)という、江戸時代の寛永通宝を形どった砂絵が観音寺にあります。年に2回、砂絵を修復する作業があって、僕が中学生のときなんかは、学校のみんなで手伝っていたんですよ。当時はよく分からずやっていたんですが、今思えば誇らしいことだなあ、と。観音寺の観光スポットとして1、2を争うくらい有名な場所ですし、人に自慢できるんですよね。「おれが直していたんだぜ」って(笑)。
ちなみに、「銭形砂絵」を見たら一生お金に困らないといわれています。夜になったらライトアップもありますし、観音寺を訪れたらぜひ見ていただきたいスポットです。
―観音寺といえば、いりこ漁で知られる伊吹島(いぶきじま)も有名ですよね。
伊吹島も観音寺の誇りですね! 小さな島なのに、いりこの生産では日本有数。「瀬戸内国際芸術祭」の舞台の1つにもなっていますし、注目されるようになってうれしいです。もっともっと伊吹島にも訪れる人が増えたらいいな、と思います。
観音寺独特か? といわれると分からないのですが、みんな地元が大好きで、地元のなかで経済を回そうとしているところを文化として誇りに感じています。
たとえば居酒屋さんに行くと、ほかの居酒屋の店主がよく飲みに来たりしているんですね。本来ライバルのはずなのに、地元のなかで同業が同業を応援している姿を見ると、胸がジーンと熱くなります。新しいお店ができたら、これからライバルになるはずなのに同業者が献花をしているのもよく見かけますね。
みんながみんなを支え合って社会ができているのは、地元の良いところだな、と今だからこそ感じます。
―昔ながらの互助関係が、しっかり残っているということですね。
自分の街のことは、自分たちでなんとかする精神がある、というか。
そうそう、「銭形砂絵」(ぜにがたすなえ)という、江戸時代の寛永通宝を形どった砂絵が観音寺にあります。年に2回、砂絵を修復する作業があって、僕が中学生のときなんかは、学校のみんなで手伝っていたんですよ。当時はよく分からずやっていたんですが、今思えば誇らしいことだなあ、と。観音寺の観光スポットとして1、2を争うくらい有名な場所ですし、人に自慢できるんですよね。「おれが直していたんだぜ」って(笑)。
ちなみに、「銭形砂絵」を見たら一生お金に困らないといわれています。夜になったらライトアップもありますし、観音寺を訪れたらぜひ見ていただきたいスポットです。
―観音寺といえば、いりこ漁で知られる伊吹島(いぶきじま)も有名ですよね。
伊吹島も観音寺の誇りですね! 小さな島なのに、いりこの生産では日本有数。「瀬戸内国際芸術祭」の舞台の1つにもなっていますし、注目されるようになってうれしいです。もっともっと伊吹島にも訪れる人が増えたらいいな、と思います。
観音寺の注目スポットはココだ!
―ここからは、帰省のたびに探し回っているという矢野さんオススメのスポットをご紹介。「今アツい」と太鼓判を押す、港一帯の注目ポイントを含めて4つ取り上げていただきました。
「中丸水産」(観音寺市港町)
先ほどお話した居酒屋「あみ屋」で修行していたご主人が、独立して始めたお店です。地元の水産会社のような外観は、もともと空き家だったから。ローカル感あふれるアットホームなお店で、お魚は美味しいし、実はラーメンも評判で。観音寺駅からは少し離れた場所にあるんですが、予約しないと入れないほどの人気店です!
「Strewth Cafe & Art(ストゥルースカフェアンドアート」(観音寺市港町)
オーストラリアの方が移住してきて開かれたカフェです。港町の田舎風景のなかに突如として現れる“ハイカラ”な印象のお店。倉庫を改築したとかで中が広々としていて、アートギャラリーになっていたり、なんとバスケットコートがあったりもします。まるで別世界を訪れたような感じで面白い場所ですね。「中丸水産」さんのほど近くにあります。
「ガーンヴ ラバーリ」(観音寺市観音寺町)
以前、ふらっと地元を散策していたら、「なんだなんだ? このアジアンな雰囲気は?」と強烈な印象を受けて入ってみたカフェです。蓋を開けたら、僕の同級生がオーナーをしていたという。地元って狭いですね(笑)。ここも店内が広くて、ゆったりできます。先ほどの「Strewth〜」さんもそうですが、こういうお洒落なお店が増えているのは喜ばしいことですね。
先ほどお話した居酒屋「あみ屋」で修行していたご主人が、独立して始めたお店です。地元の水産会社のような外観は、もともと空き家だったから。ローカル感あふれるアットホームなお店で、お魚は美味しいし、実はラーメンも評判で。観音寺駅からは少し離れた場所にあるんですが、予約しないと入れないほどの人気店です!
「Strewth Cafe & Art(ストゥルースカフェアンドアート」(観音寺市港町)
オーストラリアの方が移住してきて開かれたカフェです。港町の田舎風景のなかに突如として現れる“ハイカラ”な印象のお店。倉庫を改築したとかで中が広々としていて、アートギャラリーになっていたり、なんとバスケットコートがあったりもします。まるで別世界を訪れたような感じで面白い場所ですね。「中丸水産」さんのほど近くにあります。
「ガーンヴ ラバーリ」(観音寺市観音寺町)
以前、ふらっと地元を散策していたら、「なんだなんだ? このアジアンな雰囲気は?」と強烈な印象を受けて入ってみたカフェです。蓋を開けたら、僕の同級生がオーナーをしていたという。地元って狭いですね(笑)。ここも店内が広くて、ゆったりできます。先ほどの「Strewth〜」さんもそうですが、こういうお洒落なお店が増えているのは喜ばしいことですね。
「讃岐麺処山岡」(観音寺市古川町)
僕も香川県民なのでうどんにはうるさいのですが…この「山岡」さんのうどんは、県外から来られた方に一度は食べてもらいたい! とにかく度肝を抜くような麺のコシ。杵でついて作っているみたいですね。まだ若いお店ですし、応援しているうどん屋の1つです。
―矢野さんがうどん好きというのは、よくPRされていますよね。
はい。芸人の先輩方にもうどんをお贈りする機会がありますよ。以前、くりぃむしちゅーの有田さんにうどんをお渡ししたら、「え? お前なんで俺が香川のうどんを好きなこと知ってるの?」って驚かれて。
その当時の有田さんは、月に一回はうどんを食べに香川を訪れていたみたいです。芸能界にも隠れたさぬきうどんファンは多いようですね。
僕も香川県民なのでうどんにはうるさいのですが…この「山岡」さんのうどんは、県外から来られた方に一度は食べてもらいたい! とにかく度肝を抜くような麺のコシ。杵でついて作っているみたいですね。まだ若いお店ですし、応援しているうどん屋の1つです。
―矢野さんがうどん好きというのは、よくPRされていますよね。
はい。芸人の先輩方にもうどんをお贈りする機会がありますよ。以前、くりぃむしちゅーの有田さんにうどんをお渡ししたら、「え? お前なんで俺が香川のうどんを好きなこと知ってるの?」って驚かれて。
その当時の有田さんは、月に一回はうどんを食べに香川を訪れていたみたいです。芸能界にも隠れたさぬきうどんファンは多いようですね。
地元・観音寺でライブができる日を心待ちにしています
―ここまでのお話で、矢野さんが、離れていながらも地元のことを想っているのが本当に伝わってきました。
離れているからこそ分かること・できるこというのがあると思うんですよね。
たとえば、地元のためを思って話すことですが、観音寺の駅前なんて何もないんです。でも、何もないからこそみんなで賑わいを作ろうとして、ちょっとやっては頓挫して、ちょっとやっては頓挫して、を繰り返している。
「これは根付いたんだ。今度はこっちで新しいことが始まった。あ、これはダメだったみたいだな」と、見えづらいけれど確実に、街に循環するエネルギーのようなものがあるんですね。僕は離れているからこそ、そういったエネルギーを感じ取れるのかもしれない。
何もないからこそできることであって、これが駅前に大きなデパートなどがあれば、かえってチャレンジする余白すらないのだろうな、と思います。
―今後やってみたい、矢野さんだからこそできる地元応援はなんですか?
やっぱり僕はお笑い芸人なので、観音寺でお笑いのライブをやりたいです。
実は去年も企画していたんですが、スケジュールが合わなくて実現できなかったんですよね。
最初は僕ひとりでトークライブをしようと思っていたけど、「じゃあピアニストを呼ぼう」とか、「出店を出そう」とか、お祭りのような賑わいになりそうで。
残念ながら流れてしまいましたが、そういうイベントはいつかやりたいな、と今も考えています!
離れているからこそ分かること・できるこというのがあると思うんですよね。
たとえば、地元のためを思って話すことですが、観音寺の駅前なんて何もないんです。でも、何もないからこそみんなで賑わいを作ろうとして、ちょっとやっては頓挫して、ちょっとやっては頓挫して、を繰り返している。
「これは根付いたんだ。今度はこっちで新しいことが始まった。あ、これはダメだったみたいだな」と、見えづらいけれど確実に、街に循環するエネルギーのようなものがあるんですね。僕は離れているからこそ、そういったエネルギーを感じ取れるのかもしれない。
何もないからこそできることであって、これが駅前に大きなデパートなどがあれば、かえってチャレンジする余白すらないのだろうな、と思います。
―今後やってみたい、矢野さんだからこそできる地元応援はなんですか?
やっぱり僕はお笑い芸人なので、観音寺でお笑いのライブをやりたいです。
実は去年も企画していたんですが、スケジュールが合わなくて実現できなかったんですよね。
最初は僕ひとりでトークライブをしようと思っていたけど、「じゃあピアニストを呼ぼう」とか、「出店を出そう」とか、お祭りのような賑わいになりそうで。
残念ながら流れてしまいましたが、そういうイベントはいつかやりたいな、と今も考えています!
【取材後記】
ガリベンズ矢野さんは、とにかく観音寺愛にあふれる方! 地元に対する問題意識もしっかり持たれていて、矢野さんだからこそできる、地域応援の形があるのだろうなと感心させられました。
「三豊にあるものは、全部観音寺にもある!」と語っていましたが、三豊がここ数年で急激に注目されたように、観音寺ももっともっと盛り上がっていくのではないかと思います。矢野さんがオススメする観音寺の魅力を、あなたもぜひ体感してみてください。
【プロフィール】
ガリベンズ矢野(タレント)
1981年生まれ、香川県観音寺市出身。近年はくりぃむしちゅー上田氏、小藪千豊氏、2ちゃんねる開設者で実業家のひろゆき氏などのモノマネで人気を博す。現在のレギュラー番組はRNC「ガリベンズ矢野のしゃべりたガリやの~」。
趣味は書道とうどん屋巡り。専門学校で講師も務めている。
ガリベンズ矢野さんは、とにかく観音寺愛にあふれる方! 地元に対する問題意識もしっかり持たれていて、矢野さんだからこそできる、地域応援の形があるのだろうなと感心させられました。
「三豊にあるものは、全部観音寺にもある!」と語っていましたが、三豊がここ数年で急激に注目されたように、観音寺ももっともっと盛り上がっていくのではないかと思います。矢野さんがオススメする観音寺の魅力を、あなたもぜひ体感してみてください。
【プロフィール】
ガリベンズ矢野(タレント)
1981年生まれ、香川県観音寺市出身。近年はくりぃむしちゅー上田氏、小藪千豊氏、2ちゃんねる開設者で実業家のひろゆき氏などのモノマネで人気を博す。現在のレギュラー番組はRNC「ガリベンズ矢野のしゃべりたガリやの~」。
趣味は書道とうどん屋巡り。専門学校で講師も務めている。