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基本的なマナー

予約を受けるときからおもてなしの心を持って接しましょう。また滞在中にはお風呂の栓を抜いてしまったり、ロビーで痰(たん)を吐いたりと、日本人では想像もつかないような行動をとってしまう人もいます。どのような場合でも決して嫌な態度を表には出さず、正しいマナーや使い方を丁寧に説明しましょう。

予約時の対応

外国からのお客様の予約を受ける場合、支払い方法や使用可能通貨、入湯税、部屋のタイプ、ベッドのサイズがトラブルになりやすいので、特に念入りな確認が必要です。また、FAX や e-mail で予約を受ける場合は多言語表記の予約フォームを用意し、予約完了時や満室で予約が受けられない場合も状況説明の返信をすると良いでしょう。

< 予約時の主な確認事項 >
宿泊期間、人数、部屋のタイプ、食事の有無、入湯税、料金(税・サービス料込み又は別) 支払い方法(現金又はクレジットカードの種類、トラベラーズチェック)、使用可能通貨 チェックアウト時間、追加料金(チェックアウト時間を過ぎた場合)、パスポート、ベッドサイズ、禁煙ルームなど。

★ さらに一歩進んだ おもてなし ★
欧米の方には聞かれなくても禁煙ルームの有無を伝えてあげましょう。
外国からのお客様の中には予約なしで宿泊利用ができると思われてる方もいらっしゃいます。予約が必要か、不要かを明確に説明してあげましょう。

チェックイン時の対応

チェックインの時、予約時にうかがった内容と相違がないか再確認しましょう。また必ず所定の用紙にサインしてもらい、パスポートを提示してもらってください。署名と写真、本人をすべて照合したうえで、お客様に旅券番号等の必要項目を宿泊者カードに記入していただくか、スタッフが記入しましょう。

< チェックイン時の主な確認事項 >
宿泊期間、人数、部屋のタイプ、食事の有無、入湯税、料金(税・サービス料込み又は別)、支払い方法(現金又はクレジットカードの種類、トラベラーズチェック)、使用可能通貨、キャンセル料、チェックイン時間、ベッドサイズ、禁煙ルームの有無など。

★ さらに一歩進んだ おもてなし ★
外国からのお客様に対して、お出迎えするときには、それぞれの国の言語で簡単な挨拶をすると親しみを感じてくれます。また、日本には独特の和製英語があります。混乱の元にもなりますので、むやみに使用しないようにしましょう。

チェックアウト時の対応

<支払いについて>
支払いの通貨や料金の明細などでトラブルにあることがあります。精算時には、基本宿泊料金のほか、サービス料や税金が加算されていることも丁寧に説明しましょう。また、施設内で両替ができない場合に備えて、事前に周辺にある両替可能な銀行、クレジットカードでキャッシング可能なATMなどの情報を一覧表にしたり、地図なども用意しておくと良いでしょう。

<空港や駅への案内>
各宿泊施設から空港バス乗り場や主要駅への行き方を説明しましょう。それぞれの宿泊施設からの行き方を説明した地図などを用意しておくと便利です。

<忘れ物について>
外国からのお客様の忘れ物に備えて、対応マニュアルを作っておくと良いでしょう。例えば、外国からのお客様に「送り返してくれ」と言われても、日本からでは着払いが出来ない旨や、まだお客様が日本に滞在している場合の迅速な対応など。また、客室での忘れ物を未然に防ぐために、チェックアウト時に冷蔵庫に忘れ物はないか、金庫などにパスポート、航空券など置き忘れていないかなど、確認内容をまとめておく必要があります。

★ さらに一歩進んだ おもてなし ★
日本では、1人当たりで宿泊料を計算することが多いですが、欧米や韓国などは、1部屋としての料金で計算する場合がほとんどです。特に旅館では1人ずつ食事を含めた料金になることも説明しておきましょう。
消費税がない国もあるので、特に丁寧な説明が必要です。
列車で移動するお客様には、列車には大きなスーツケースなどを置いておくスペースが通常ないこと、県内の駅にはポーターは居ないこと、エスカレーターの無い駅もあることも説明し、次の旅行地へは荷物を宅配便など利用可能であることも説明すると良いでしょう。

各種サービスの案内について

外国からのお客様に気持ちよく滞在してもらうためには多言語表記の施設・サービス案内の用意が望まれます。施設の案内、食事と飲み物について、ルームサービス、部屋の鍵の取り扱い、貴重品の保管、モーニングコールの依頼、テレビや電話、ランドリー、冷蔵庫の使用方法、新聞の配布、非常時の対応に関する情報など、できれば各部屋に備えておきたいものです。

各種サービスの留意点

日本では当たり前とも思える有料サービスが外国からのお客様にとっても当たり前だとは限りません。テレビの有料チャンネルや冷蔵庫のドリンクなど、有料であることを知らずに利用し、支払いの段階でトラブルになるケースがあります。事前に説明するか、多言語表記するなどし、周知を徹底しましょう。

日本ならではの留意点

旅館や民宿など日本独自の宿泊施設では外国からのお客様は使い方がわからないなど、戸惑われることが多々あります。外履きから上履きに履き替える習慣がない国もありますので、靴の置き場所や部屋ではスリッパを脱ぐことなど、まずは履き物の説明をしましょう。
畳の和室ではどこに座ってもいいことや座布団の上に座ること、畳の上に布団を敷いて寝ること、布団は押し入れに収納していること、浴衣の着方等の説明も必要です。布団の上げ下げを従業員がする場合はその旨を伝えます。
お風呂については特に独自の習慣が多いので詳しい説明が必要でしょう。
いずれも、写真やイラストなどを用意しておくとわかりやすくスムースに理解してもらえます。