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基本的なマナー

外国からのお客様に利用して欲しいと考えている飲食施設は、店の外観や表示にもそれなりの工夫や演出が必要です。私たちが海外に行った場合にしても、外から見て何の料理が食べられるのか、どの程度の値段なのか分からないレストランには入らないものです。アルファベットでの店名掲示、食品サンプルのウィンドウ、見本を店の外に置く、値段は漢数字ではなくアラビア数字で記載するなど、外国からのお客様が気軽に安心して入店できるよう配慮しましょう。

また、店内においてはメニュー内容や食べ方を含めて楽しい食事のひとときを過ごしていただけるよう心を込めたおもてなしを心がけましょう。

メニュー表示についての留意点

日本語のメニュー表記ではどんな料理かわかりません。料理についての内容がわかるように素材名や調理方法など各国語訳の簡単な説明を記載するなどの配慮が必要です。食べ方が日本独特のものや付けて食べる調味料やタレなどもわかるようにしておきましょう。

価格についての表示は明瞭であれば問題ありませんが、「時価」の場合は注意が必要です。「時価」のものを注文された場合は料金を先に伝えるとよいでしょう。

また、日本料理の場合、少量で不満感を与える場合があります。注文した料理が出てきた段階ではじめて量が明らかになるというのではなく、量については事前に何らかの情報(写真や素材の重さ表記など)を与えておくとトラブルを未然に防げます。

日本の飲食店ならではの習慣・サービスについて

外国からのお客様が居酒屋やスナックなどで付き出しあるいはお通しを出され、後で料金に加算されていることを知り、「注文していないのになぜ払わなければいけないのか」とクレームが出ることがあります。

また、席料を課す店では、あらかじめ了解を得ていない場合、日本人客の場合でもトラブルになるケースがあります。文化や習慣の違う外国からのお客様の接客に際しては特に注意し、このような料金を事前に明確に提示、了解を得ておくことが必要です。

支払いについての留意点

消費税やサービス料を請求する際、事前に了解していなかったとして支払いを拒否するトラブルがあるようです。その旨メニュー内に多言語表記する、店内に掲示する、あらかじめ口頭で伝えるなどし、周知徹底を図りましょう。

外国でも税やサービス料を請求する習慣はありますが、国によってそれぞれ基準が異なります。日本と外国との制度上の相違を正確に理解しておいていただくことが大切です。

食習慣の違いについて

外国人には宗教や主義によって食べてはいけない物、食べられない物があります。以下はいくつかの例です。

ヒンドゥー教(インド、ネパール、ブータンなどに多い)
牛は聖なる動物なので食べない。教義によっては肉類がすべてダメな人もいます。

イスラム教(中近東諸国、インドネシア、マレーシアや、アフリカ諸国等が中心)
豚は不浄の動物なので食べない。また、それ以外の肉についてもイスラムの流儀に従って処理されたもの
(ハラルフード)でなければいけないとされます。

ユダヤ教(イスラエル、アメリカなど)
豚肉、イカやタコなど鱗のない魚介は食べない。卵と鶏肉、いくらと鮭など、1つの食べ物の中に親子で入っているものも食べない。

ベジタリアン(菜食主義者)
肉は食べない、肉も魚も食べない、卵も食べないなど、色々なレベルのベジタリアンがあります。魚を食べない人の場合、味噌汁や煮物の鰹だし(や煮干しダシ)のも問題になるので注意が必要です。台湾でも牛肉がダメな人がいます。