天体望遠鏡博物館とは
施設は閉校になった小学校の校舎を再利用しており、個人から寄贈された数多くの小型望遠鏡が元教室に展示され、各地の天文台に設置されていた大型望遠鏡が屋内プールだった場所に林立しています。また、展示品の見学だけでなく、収蔵している望遠鏡を使って太陽黒点やプロミネンス(太陽表面の炎)の観察も行っています。
天体望遠鏡博物館の空
天体望遠鏡博物館は香川県と徳島県の県境、讃岐山脈のふところに抱かれた地域にあります。北天は高松市の明かりの影響をやや受けていますが、南天は光害のない美しい星空を望むことができます。
この環境を活かして観望会では月や惑星に加えて、空の暗いところでないと見られない星雲や星団なども見られます。
体験・イベント情報
所在地:香川県さぬき市多和助光東30-1
(旧 多和小学校)
天体望遠鏡の歴史を学ぶ
家庭で使う望遠鏡の選び方①
上弦の月はどっち?
天体望遠鏡は逆さまに見えている!
通常、天体望遠鏡では逆さまの像を見ています。ケプラーが発明した望遠鏡はもともと倒立像を結ぶ仕組みなのですが、天体は逆さまになっていても違和感が生じないので、そのまま観察するようにしています。月を見るときなどに確認してみましょう。双眼鏡やフィールドスコープが正立で見えるのは、地上の景色を見ることが多いので、像をひっくり返すためのプリズムを入れているからなのです。天体でも正立の像を観察したい場合は「正立プリズム」などの補助部品を使用します。
家庭で使う望遠鏡の選び方②
口径6~15cmの小型望遠鏡(販売価格3~10万円)であれば、月や各惑星がここで紹介している写真くらいには見えます。屈折式と反射式はどちらでもいいですが、口径は大きい方がよく見え、同じ口径なら反射式の方が安価ですが、取り扱いは屈折式の方が楽です。また、しっかりと観察するなら赤道儀(できれば自動追尾装置付き)にしましょう。
しっかり見るなら口径が大きな望遠鏡!
高倍率であればよく見えるわけではありません。適正な倍率より高くしても、ぼやけて暗くなるだけです。
望遠鏡を選ぶ時のポイントは、ずばり対物レンズの口径です。口径が大きいほど、たくさんの光を集められ、倍率も上げられるので、より小さく暗い天体の観察や撮影ができます。
ただし、大口径、高倍率ほど大気の流れや揺らぎ(シーイング)の影響も受けやすくなります。
家庭で使う望遠鏡の選び方③
「すばる(プレアデス星団)」、「アンドロメダ座大星雲」、「オリオン座大星雲」は、双眼鏡や小型望遠鏡でもきれいに見ることができますが、これらより小さな星雲星団は、家庭向けの望遠鏡ではしっかり観察できません。
より大型や高性能な望遠鏡を求めるよりは、天文台などの観望会に参加して楽しむことをお薦めします。
天体望遠鏡を楽しむには
実視(肉眼)と写真の違い
星雲や星団の写真を見るととてもカラフルで、本当に宇宙は色であふれていると感じます。しかし、望遠鏡で星雲星団を見ても、それほど豊かな色は見えません。その理由は、人間の目はある程度明るさがないと色の認識ができないからです。人間の目と異なり、写真は時間をかけて光を蓄積できるので、美しい星雲が写せるのです。人間の目も光を蓄積できると良いのですが・・・。