さぬきのてづくり
高松市
さぬきのてづくり
さぬき庵治石硝子
高松市内の雑貨店に行くと、きれいなブルーのガラス作品を見かけることがあります。
このガラスは、香川県の特産品の一つである庵治石の粉を混ぜ込んだ“さぬき庵治石硝子”というもの。手掛けているのは、ガラス作家の杉山利恵さんです。瀬戸内海の風景をそのまま写し取ったかのような作品に心惹かれ、高松市内にあるという工房「Rie Glass Garden」を訪ねてみました。
「Rie Glass Garden」へは、高松駅から車で10分ほど。2013年に設立されたという工房は、一見、小さな町工場といった趣。
「Rie Glass Garden」へは、高松駅から車で10分ほど。2013年に設立されたという工房は、一見、小さな町工場といった趣。
オリーブの鉢が目印です。
中に入ると、1階は作業場、2階はギャラリーショップになっています。1階にはガラスを熱する炉が二つ並んでいます。
工房内には、以前に開催した個展に合わせて制作したという壁面作品が飾られていました。
工房内には、以前に開催した個展に合わせて制作したという壁面作品が飾られていました。
2階のギャラリーへは1階の作業場を通り抜け、一番奥にある階段で向かいます。
ブルーの作品が一面に並んだ部屋。思わず「わぁ!」と驚きの声を上げてしまいます。ギャラリーには定番の作品に加え、新作などここでしか見られない作品も並んでいます。
ガラス作りを学ぶために東京と富山に住み、地元・香川県の良さを再認識したという杉山さん。大都市の慌ただしさと対照的なのんびりとした時間や、降雪や災害が少なく温暖な気候がしみじみと良いものに感じるようになりました。
そんな香川県の魅力を、ものづくりを通じて発信していく人間になりたい!と、香川らしい作風を探っていったのだそう。
その中で思いついたのが、香川県の素材をガラスそのものに入れるということ。
色々な素材をリストアップした中で、ガラスを溶かすときの1,300度という高温に耐えられる素材であること、ガラスの色付けにもともと鉱物が使われていることなどを考慮して、“石”が浮上してきました。そして、香川県の特産品である庵治石を試してみることにしたのだそう。庵治石は花崗岩のひとつで、きめが細かく高品質なことから、高級石材として重宝されてきました。
そんな香川県の魅力を、ものづくりを通じて発信していく人間になりたい!と、香川らしい作風を探っていったのだそう。
その中で思いついたのが、香川県の素材をガラスそのものに入れるということ。
色々な素材をリストアップした中で、ガラスを溶かすときの1,300度という高温に耐えられる素材であること、ガラスの色付けにもともと鉱物が使われていることなどを考慮して、“石”が浮上してきました。そして、香川県の特産品である庵治石を試してみることにしたのだそう。庵治石は花崗岩のひとつで、きめが細かく高品質なことから、高級石材として重宝されてきました。
(写真中央が庵治石)
試作した当初は色が出ず、灰色の塊のようになってしまったそう。しかし、杉山さんはその後も専門家に意見を求め、試作を繰り返しました。
そんなあるとき、ブルーのおはじき大のガラスができあがったそう。それを見たときは「鳥肌が立ちました」と杉山さん。何色になるかは分からなかったといいますが、現れたのが、まさに香川県をイメージするような美しいブルーだったのです。
試作した当初は色が出ず、灰色の塊のようになってしまったそう。しかし、杉山さんはその後も専門家に意見を求め、試作を繰り返しました。
そんなあるとき、ブルーのおはじき大のガラスができあがったそう。それを見たときは「鳥肌が立ちました」と杉山さん。何色になるかは分からなかったといいますが、現れたのが、まさに香川県をイメージするような美しいブルーだったのです。
庵治石の粉を混ぜるとブルーのガラスができあがると分かってから、杉山さんは庵治石の組合を訪ねました。香川県有数の名産品で、歴史も技術も文化も深い庵治石を、“さぬき庵治石硝子”として発信してもよいのか躊躇があったそうです。
ところが予想に反して、組合の皆さんはとても喜んでくださったのだそう。石材店などでは廃棄物として処分されていた庵治石の粉。それを引き取って、しかも庵治石の名前を広めてくれるなら、ぜひこれからも進めて行ってほしい、と心強い太鼓判をいただいたのだとか。
こうして、杉山さんの目標でもあった「作品づくりを通じて地元・香川県の魅力を発信する」ということが形になっていきました。
ところが予想に反して、組合の皆さんはとても喜んでくださったのだそう。石材店などでは廃棄物として処分されていた庵治石の粉。それを引き取って、しかも庵治石の名前を広めてくれるなら、ぜひこれからも進めて行ってほしい、と心強い太鼓判をいただいたのだとか。
こうして、杉山さんの目標でもあった「作品づくりを通じて地元・香川県の魅力を発信する」ということが形になっていきました。
作品は、瀬戸内海のように穏やかでやさしい色合いです。香川県独特のぽこぽことした山や島の形をモチーフにした作品もあります。
さまざまな形の酒器は、どれも涼やかな印象。
さまざまな形の酒器は、どれも涼やかな印象。
気泡のある作品は、本当に水面を見ているよう。
ゆらゆらとした光がきれいな照明器具もあります。
ゆらゆらとした光がきれいな照明器具もあります。
ガラスの層の間に金箔や銀箔を巻き込んだこちらは、お雛様。こんなにシンプルなら、今あるインテリアにも馴染みそうです。
今回は特別に、杉山さんに制作過程を説明していただきました。
※作業場で制作中の場合がありますが、通常は制作過程の見学や説明は行っていません。
※作業場で制作中の場合がありますが、通常は制作過程の見学や説明は行っていません。
まずは熱された小さなガラスの塊を吹き竿に巻き取ります。
その後、温めたり、くるくると回したり、少しずつ膨らませたり、という手順を適宜繰り返します。
塊が膨らんで大きくなってきたら、吹き竿とは反対側にポンテ竿という細長い棒を取り付け、吹き竿を外します。
吹き竿が付いていたところに吹き口の穴が開いているので、その穴をハサミのような道具で広げていきます。
この広げた部分が、グラスの縁の形になります。グラスのサイズや形状によってこの口の部分の広げ方を変えます。プレートをつくる場合は、吹いた丸い形から平たくつぶしていくことで平らな形を作っていくのだそう。
小さな塊からグラスの形が出来上がるまで、15~20分ほど。その短い間に、みるみるうちにガラスの厚みやサイズが変化していきます。
最後に底の竿の跡をバーナーで焼き仕上げ、一晩かけてゆっくり冷ませば完成となります。
小さな塊からグラスの形が出来上がるまで、15~20分ほど。その短い間に、みるみるうちにガラスの厚みやサイズが変化していきます。
最後に底の竿の跡をバーナーで焼き仕上げ、一晩かけてゆっくり冷ませば完成となります。
こうして、口の広げ方や形の整え方によって色々な形のグラスや器ができあがります。
杉山さんのギャラリーには、県外から作品を見るためだけに来る方もいらっしゃるそうです。また、香川県出身の方が「生まれ育った土地のものを」と、結婚式の引き出物に選んでいくこともあるそうです。
ギャラリーには新作や、ここでしか見られない限定品も置いています。オブジェや器を見ていると、穏やかな瀬戸内海を眺めているような気分になれました。
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Rie Glass Garden
営業時間 14:00-17:30
営業日 土・日・月
住所 香川県高松市松福町2-2-17
電話番号 090-4782-4681
※1階の作業場を通り抜け、階段を登れば2階のギャラリーに行くことができます。作業場で制作中の場合がありますが、通常は制作過程の見学や説明は行っていません。
ギャラリーには新作や、ここでしか見られない限定品も置いています。オブジェや器を見ていると、穏やかな瀬戸内海を眺めているような気分になれました。
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Rie Glass Garden
営業時間 14:00-17:30
営業日 土・日・月
住所 香川県高松市松福町2-2-17
電話番号 090-4782-4681
※1階の作業場を通り抜け、階段を登れば2階のギャラリーに行くことができます。作業場で制作中の場合がありますが、通常は制作過程の見学や説明は行っていません。