建築・建造物
建築ファンの間で「建築王国」として知られる香川県。戦後日本を代表するモダニズム建築を代表するモダニズム建築を確立した巨匠・丹下健三作品をはじめ、著名な建築家たちが残した作品の数々が、周囲の環境や人々の暮らしに溶け込みつつ、燦然と輝いています。
香川県エリアマップ

高松市エリア
香川県庁東館(旧本館及び東館) 1958年 丹下健三
DOCOMOMO(ドコモモ・後世に残したい近代建築の記録と保存を目的とする国際組織、本部オランダ)Japan20選に選ばれた丹下氏初期の傑作です。垂木のような小梁が突き出たバルコニー、木造建築で一般に使用する角柱など、日本の伝統的な建築の様式を意識した設計となっています。「打放しコンクリート」「ピロティー(柱だけの空間とした1階部分)」「センターコア方式(階段・エレベーター・水廻り等を建物中心部に配置)の採用」「高層棟と低層棟の組み合わせ」などの特徴は、その後の全国の庁舎建築のモデルとなりました。
1階ロビーには、猪熊弦一郎画伯の太陽と月を題材とした壁画「和敬清寂」が制作され、芸術性豊かな空間を形成しています。第1回BCS賞(建築業協会賞)を受賞、公共建築百選(建設省50周年を記念して選定した100件のすぐれた公共建築物)にも選ばれています。2022年には「香川県庁舎旧本館及び東館」として国の重要文化財に指定されました。
〒760-8570 香川県高松市番町4-1-10
Tel:087-831-1111
閉庁日/土・日曜日、祝日、年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
1階ロビーには、猪熊弦一郎画伯の太陽と月を題材とした壁画「和敬清寂」が制作され、芸術性豊かな空間を形成しています。第1回BCS賞(建築業協会賞)を受賞、公共建築百選(建設省50周年を記念して選定した100件のすぐれた公共建築物)にも選ばれています。2022年には「香川県庁舎旧本館及び東館」として国の重要文化財に指定されました。
〒760-8570 香川県高松市番町4-1-10
Tel:087-831-1111
閉庁日/土・日曜日、祝日、年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
瀬戸内海歴史民俗資料館 1973年 山本忠司/香川県建築課
瀬戸内海を俯瞰する五色台の小高い丘に、石積みと打ち放しコンクリートで構築された瀬戸内海歴史民俗資料館があります。山本忠司氏の設計によるこの建築は、香川ゆかりの芸術家イサム・ノグチ氏とのインド旅行でその原型が誕生しました。城壁のように積まれた外壁の安山岩は整地のために掘り起こした石を積上げ、中庭を囲む階段で結ばれた回廊式の展示室には、中庭やハイサイドライト(壁面上部の窓)からの自然光が差し込みます。1975年に日本建築学会作品賞を受賞、2013年にDOCOMOMO JAPANによる「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選出され、さらに2024年12月、重要文化財に指定されました。
木造船や漁撈用具など瀬戸内地域の歴史や民俗に関する資料を収集・展示する同館では、地域の特色あるくらしと文化について紹介しています。また収蔵資料のうち約6,000点が重要有形民俗文化財に指定されています。
〒761-8001 香川県高松市亀水町1412-2
Tel:087-881-4707
休 館 日/月曜日(月曜日が休日の場合は原則としてその翌日)・年末年始
交通案内 / JR高松駅から車で25分。JR坂出駅から車で30分。
坂出IC、坂出北IC、高松中央ICから車で約30分。
木造船や漁撈用具など瀬戸内地域の歴史や民俗に関する資料を収集・展示する同館では、地域の特色あるくらしと文化について紹介しています。また収蔵資料のうち約6,000点が重要有形民俗文化財に指定されています。
〒761-8001 香川県高松市亀水町1412-2
Tel:087-881-4707
休 館 日/月曜日(月曜日が休日の場合は原則としてその翌日)・年末年始
交通案内 / JR高松駅から車で25分。JR坂出駅から車で30分。
坂出IC、坂出北IC、高松中央ICから車で約30分。
あなぶきアリーナ香川 2025年 妹島和世+西沢立衛/SANAA
メインアリーナとサブアリーナ、武道施設の3つで構成された多目的アリーナ。設計・監理は世界的建築家ユニットSANAAが手掛けており、緩やかな曲線美が瀬戸内海の風景に調和した特徴的なデザイン。構造は鉄骨造、鉄筋コンクリート造。メインアリーナは最大収容人数1万人を誇り、スポーツやコンサート、大規模展示会など多彩な用途に対応可能。
百十四銀行本店
建築時、西日本で一番高い16階建ての本館と5階建ての別館を、道路を挟み高架通路で結んだ作品です。第9回BCS賞を受賞し、DOCOMOMO100選にも選ばれています。正面には鉄筋コンクリート柱と日本初の緑青仕上げのブロンズ板で覆われた壁面がそびえ、側面のガラス張りの壁面との対比が印象的です。内装は、彫刻家・流政之氏監修によるもので、木のような温かみを感じさせる大理石トラバーチンの壁や瀬戸の色とりどりの石によるミカゲモザイクの床など、彫刻家としての専門的な技術経験を建築デザインに反映させたものになっています。本館東にある駐車場の壁面も流氏の監修で、12種類のツタでつつみ、時とともに育ち色と形をつくり続けていく「草壁画」を描いています。
〒760-0050 香川県高松市亀井町5番地1
Tel:087-831-0114
定 休 日/土日祝日・年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
〒760-0050 香川県高松市亀井町5番地1
Tel:087-831-0114
定 休 日/土日祝日・年末年始
交通案内 / JR高松駅から徒歩約20分。ことでん瓦町駅から徒歩約10分。
高松中央ICから車で約20分。高松西ICから車で約20分。
やしまーる 2022年 周防貴之
屋島山上に位置する交流拠点施設で2022年にオープン。設計は建築家・周防貴之氏(SUO一級建築士事務所)が担当し、蛇行する川のような有機的な曲線を多用した独特のデザインが特徴的。屋根には地元産の庵治石を使用し、3万枚以上の石瓦が整然と並ぶことで、地域の素材や技術を活かした新しい建築表現を実現。内部は壁で区切られない開放的な空間で、展望スペースや展示スペース、ホールなど多機能を備えており、周辺の自然環境と一体化し、訪れる人々に屋島の魅力を再発見させる新たなランドマークとして機能している。
香川県中部エリア
金刀比羅宮
「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮では、1955年に国の重要文化財に指定された奥書院と表書院、1982年に指定された旭社に加え、2024年に御本宮など12棟の社殿群が指定されました。御本宮を含む12棟の社殿群は、明治時代の1878年に改築されており、当時の政府の宗教政策が色濃く反映されています。
旧金毘羅大芝居(金丸座)
「こんぴら参り」で栄えた金刀比羅宮の門前町には、天保6(1835)年に建てられた日本最古の芝居小屋で、国の重要文化財に指定されている旧金毘羅大芝居(金丸座)があります。「金丸座」の名称は、明治33年に付けられたもので、今も毎年春に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が行われ、人気の歌舞伎役者による公演が行われています。公演時以外でも、客席や舞台裏などを見学することができます。
善通寺 五重塔
弘法大師・空海の生誕地として知られている真言宗善通寺派の総本山・善通寺。その境内にそびえる五重塔は高さ43mの総欅造りで、善通寺のシンボルとして広く人々に親しまれています。創建以来、落雷などで何度か焼失しましたが、その度に再建され、現在の五重塔は明治35(1902)年に完成した4代目です。
神谷神社本殿(かんだにじんじゃほんでん)
本殿は鎌倉時代初期(1219年)に建てられた三間社流造の社殿で、延喜式に記載されています。建築年代が明らかなわが国最古の神社建築であり、昭和30年に国宝に指定されています。本殿の他に同じく鎌倉時代初期に作られたとされる木造随身立像をはじめとする中世を中心とした神宝が数多く残されています。
丸亀城の石垣
築城から400年の歴史を刻む丸亀城は、日本全国に現存する「木造天守十二城」の1つ。白亜の天守を支える石垣は一番高いところで21m、三層あわせて60mにも達し、美しく弧を描くように反り上がっていることから、「扇の勾配」とも呼ばれています。天守に登れば、春は桜、秋には紅葉と、四季折々の見事な景色を楽しむことができます。
香川県西部エリア
本山寺(もとやまじ)
大同2(807)年に平城天皇の勅願により弘法大師が開いたと伝えられる本山寺。奇棟造、本瓦葺の本堂は正安2(1300)年の創建で、外観は京都風、内部は奈良風という鎌倉時代に流行した折衷様式の傑作で、国宝に指定されています。
豊稔池堰堤
柞田川(くにたがわ)上流を分け入って行くと忽然と現れるマルチブルアーチ式コンクリート造の堰堤は、まるで中世ヨーロッパの古城を思わせる偉容と風格があり、一年を通じて多くの観光客がここを訪れています。その構造形式は日本の農業土木史上、極めて価値が高く、平成18年に重要文化財に指定されました。建造から100年近く経過した現在でも、観音寺市の農地の水瓶として活躍しています。