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おもてなしの基本「挨拶」

おもてなしの基本は「挨拶」です。日本人は挨拶のときに、つい何度も頭を下げてしまうことがありますが、やたらに頭を下げることは落ち着きのない印象を与えますので必要に応じてお辞儀をすることが大切です。美しく、丁寧な挨拶とお辞儀こそが外国のお客様にも好感をもって受けとめられる応対の基本です。

お辞儀の注意点
 ・正しい姿勢で立つ。
 ・笑顔で相手の目を見る。
 ・上体を倒したところでひと呼吸止める。
 ・上体をゆっくり起こし、もう一度相手の目を見る。

お辞儀の種類

一般にお辞儀は状況に応じて3種類(最敬礼・敬礼・軽い礼)を使い分けます。いずれも背中が丸くならないように背筋を伸ばしたまま上体だけを倒します。頭だけを下げたお辞儀にならないように注意しましょう。

最敬礼
・上体を45度傾け、両手は自然に体にそって膝頭の上のところまで下げる。
・頭を下げた時の視線は自分の足先を目安に、ひと呼吸おいて静かに頭を上げる。

敬礼
・上体を30度位傾け、首は上体と共に自然に下げる。(首だけはよくない)
・足先は平行にそろえ両手は自然に前に滑らせ、あまり早く頭を上げない。
・お客様や上司に対して、また初めての人や、訪問先での挨拶に用いる。

軽い礼
・上体をわずかに曲げる。
・言葉は交わさなくても笑顔は忘れない。
・廊下や道ですれ違う時などに用いる。

最敬礼  敬礼  軽い礼

正式礼の仕方
送迎のときに行う正式礼は、約30度から45度前傾して行うのが正しいとされています。その際、足のかかとをぴったりとつけ、礼儀正しく丁寧に行います。特にお迎えの時は、第一印象が決まってしまいますので十分に気をつけましょう。「いらっしゃいませ」「お待ち申し上げておりました」などの言葉も添えて、歓迎する気持ちを表現しましょう。お見送りのときも同様に「ありがとうございました」「またのお越しをお待ち申し上げております」とはっきり礼儀正しく挨拶をし、次のご利用につながるよう心がけることが大切です。

握手について

握手の習慣のない日本では外国のお客様から握手を求められ、戸惑うことがあるかもしれません。しかし、外国人にとって握手は挨拶のひとつなので、求められた場合には恥ずかしがらずに応じましょう。また、状況によっては自分から握手を求めることも、親しみを表現する手段になります。ただし、握手を下位の者から求めたり、男性が女性に手を差し出したりは失礼にあたりますので、最初慣れるまでは求められた場合にだけ応じる方が無難です。

おもてなしの基本的マナー
会話中の視線

一般に外国では相手の目を見て話すのが礼儀で、会話中に相手の目を見ていないと不誠実と見られて失礼な印象を与えることになります。ただし、韓国人は露骨に相手の目を見つめることはしないようです。特に目上の人に対しては伏し目がちに対応するのが謙虚さの表われとして好まれるようです。

YESとNOの使い方

「YES」は日本人にとっては「はい」という意味ですが、外国人と日本人では違う場合もあるので注意が必要です。私たちは、OKの肯定の意味で「はい」と言い、「あなたの話しを聞いていますよ」という相槌の意味でも「はい」と言います。これに対し、英語の「YES」はあくまでもOKの意味しかなく、相槌として「YES」を使うと、外国人は非常に混乱してしまいます。また、日本人ははっきりと「NO」と言うのが苦手で、「Yes, but…」などと言ってしまうことがありますが、曖昧な言い方はかえって不信感に繋がるので注意しましょう。

「検討します」と言う表現も誤解を招きがちです。日本的な感覚では「あまり期待しないでほしい」という否定的な意味合いで使うことが多いようですが、アメリカなどでは、肯定でも否定でもない中立的な意味を持ち、中国では有望の意味合いになります。こうした国による受けとり方の違いを十分留意しておきましょう。

NG態度例

外国人に対する理解が乏しいため拒否反応を示し、言葉が分からないことを理由に逃げ腰になる人がいます。国際化社会という時代の潮流や経済効果等を考えれば訪日外国人観光客を歓迎し、増加の方向に導く姿勢が必要です。

外国人、特に欧米人に対して妙に媚びへつらい、過剰な親切やサービスをしてしまう人がいます。日本人客にはしていない空港までの送迎や手土産などの過剰サービスは、かえって相手を戸惑わせてしまいます。

日本人が相手を気遣うあまり、“ありがた迷惑”になる場合もあります。日本を訪れる外国人は、それなりに日本の文化や習慣を勉強してくる人も多く、和式のマナーで楽しみたいと思っているのに、相手を気遣いすぎる行為は不自然で、むしろぎこちない印象となるので注意しましょう。日本を訪れる外国人客に対しては誇りを持って日本の慣習や礼儀を説明し、理解してもらうことこそ国際交流の原点なのです。

それぞれの国の敬称や使い方を覚えましょう

それぞれの国には様々な敬称や使い方があります。来店することの多いお客様の国の敬称を覚えて、名字に付けて相手を呼ぶようにしてみるとよいでしょう。外国人のお客様を温かく迎えるという“ホスピタリティ”にも通じます。

英語式
全ての男性に対して      ミスター(〜)/ Mr.
全ての女性に対して      ミズ(〜)/ Ms.
既婚の女性に対して      ミセス(〜)/ Mrs.
未婚の女性に対して      ミス(〜)/ Miss.

中国式
呼びかけは、名前でなく「ニーハオ」でOK。
男性に対して      (〜)シェンション / 先生
女性に対して      (〜)ニゥウシ / 女士

韓国式
韓国のお客さんをお呼びする丁寧な敬称は、男女老少にかかわらず、「お客様」を表すという「コゲッニム(小さい「ム」は口を閉じるだけの発音。ローマ字だと「gogaeknim」です。)」といいます。
これはお客様の名前の後につけても、そのままで使うこともできます。